Appleの「iPad Pro」とMicrosoftの「Surface Pro」は、どちらもタッチパネル対応のディスプレイを搭載している高性能タブレットです。
高性能なタブレットが欲しいと思ったとき、この2つのタブレットが頭をよぎる方もいると思います。
しかしながら、見た目が似ているためよく比較されがちですが、OSも違えば利用シーンがまったく異なるデバイスとなるので注意が必要です。
タブレットという観点から「iPad Pro」と「Surface Pro」で購入を悩んでいる方のために解説していきます。
この記事では、2つのProタブレットのスペックや使い勝手を徹底解説して、利用シーン別に買うならどちらがおすすめかを紹介します。
高性能なタブレットを購入しようとしている方、比較して悩んでいる方は参考にしてください。
目次
iPad ProとSurface Proの違い
左:Surface Pro、右:iPad Pro
iPad ProとSurface Proはタブレットとして利用できる便利なデバイスです。
ポイント
iPad Pro:Appleが開発したタブレットでOSは「iPadOS」
Surface Pro:Microsoftが開発したタブレットでOSは「Windows」
どちらも外付けキーボードを装着したり、タッチペンを利用できたりと便利に活用できます。
Surface ProはタブレットPC、2-in-1とも言われノートPCがそのままタブレットになった印象です。
iPad ProはMac向けに設計したSoC「Apple M2チップ」を搭載したことでパフォーマンスが大幅に向上しています。もはやiPad Proは大きいiPhoneとは言えません。
スペック・仕様の違い
iPadシリーズとSurface Proシリーズは複数の種類があります。どちらもキーボード、マウス、ペンを利用できますが、別売りとなります。
根本的に搭載されているOSが異なるため、比較することが困難となります。
それぞれのCPUやメモリなどは処理速度、操作感は違う印象となるため、購入前に参考にする程度が好ましいです。
ディスプレイに関しては、iPad Proの方が高性能です。
Surface Proは液晶ディスプレイですが、iPad ProはLiquid Retina XDRディスプレイとなります。
Liquid Retina XDR の特徴
明るい部分はより明るく鮮やかに表示され、暗い部分はより暗く引き締まって鮮明な映像が表示されます。
ミニLEDを採用したのiPad Proでは、画面の黒が「本当に黒く」見えます。
OSの違い
iPad ProとSurface Proの一番の違いはOS(Operation System)となります。
iPad ProはAppleが開発したタブレット独自のOSである「iPadOS」で、Surface ProはMicrosoftのOSで、デスクトップPCやノートPCに搭載しているOSと同じ「Windows」です。
Windows
一般的なPCにインストールされているOSといえばWindows。OSの中ではトップシェアを誇っています。機能が充実していて操作性や自由度が非常に高いのが特徴です。
iPadOS
iPad用に開発されたOSでタブレット端末向けのため、アイコンやウィジェット、操作方法がシンプルで使いやすくピンポイントな情報取得に特化したアプリが豊富で、直感的な操作が可能なのが特徴です。
使えるソフトウェアの違い
iPad ProとSurface Proでは使えるソフトウェアが異なります。
ポイント
iPad Proは高機能で操作も直感的なアプリが多くあるのが特徴です。Surface Proは複雑な操作や、多機能で高度な操作ができることが特徴です。
動画編集や音楽制作、プログラミングなどの複雑で高度な作業はWindowsを搭載したSurface Proの方が得意とします。また、Surface ProならOfficeソフトが標準で付属しています。iPad ProでもOfficeソフトは使えますが有料となり契約が必要です。
iPad Proはアプリ自体が非常に使いやすい仕様となっているため、見やすくて操作しやすいのが最大の特徴です。その反面アプリはすべてが簡易版となり、細かく複雑な操作には向いていません。
Surface Pro
- 高度で多機能なソフトが使える
- 拡張性や自由度が高いソフトが使える
- WindowsPCと同様のソフトが使える
iPad Pro
- 高機能で操作も直感的なアプリが使える
- 簡単でシンプルなアプリが多い
- iPhoneと同様のアプリが使える
このようにそれぞれメリットがあり、購入した後どのように使いたいかが重要となってきます。
参考
最近では、Windowsでもパソコン用のソフトのことを「アプリ」と表現するようになり、「ソフト」、「アプリ」の呼び分けが曖昧になっているのが現状です。
本来では、ソフトウェアのカテゴリの中にアプリケーションソフトウェア(アプリ)が存在します。この記事ではパソコンのソフトを「ソフト」タブレット(スマホ)のソフトを「アプリ」としています。
操作性の違い
iPad ProもSurface Proもタッチ操作、ペン入力が可能となります。
また、ノートPCのようにキーボード入力する場合は、Surface Proはタイプカバー、iPad ProはMagic Keyboardなどを購入する必要があります。
Surface Proでは4,096段階の筆圧感知と、傾き検知に対応したSurfaceペンが使えて手書きメモだけでなく、本格的な描画にも使えます。
しかしながらiPad Proと比較するとイラスト制作、お絵描き用途で使用するなら、描き心地はiPad Proの方がおすすめです。
Surface Proはディスプレイにやや遅れて表示されますが、iPad Proはペン先のズレは感じず、より紙のように描ける感覚です。
iPad ProだけでなくApple Pencilの性能も非常に高いと感じます。
Surface ProはタブレットでありながらもWindowsを搭載したノートPC同様の操作ができるのが魅力です。
iPad ProもiPadOSのアップデートにより、「ファイルアプリ」がMacのFinderやWindowsのエクスプローラーに近くなり使い勝手が非常によくなりました。
また、Surface Proは画面上に複数のソフトを表示できます。しかし、iPad ProはSplitView(画面分割機能)を使えば2つのアプリを表示可能ですが、アプリによって完全に対応していないものもあります。
ポイント
ほとんどノートPC同様の操作が行えるのがSurface Proの特徴です。iPad ProもPCに近づき操作が快適ですが出来ないこともあります。
iPad Proの方が機動力は抜群です。Surface Proは基本的には利用時にWindowsを起動する必要があります。また、スリープモードからの復活も時間が掛かります。
iPad Proは使用していない時はスマホ同様にスリープ状態が基本なので、「すぐに使える」というのが魅力です。
ポイント
iPad Proはスマホ同様で使いたい時にすぐにディスプレイが表示されますが、Surface ProはWindowsを起動するため時間が掛かります。
※基本的にSurface Proは使わない時はシャットダウンをおすすめします。(連続稼働を想定して作られていないため、シャットダウンしないままの運用はおすすめできません。)
拡張性の違い
iPad ProとSurface Proでは外部機器との接続端子が異なっています。
Surface Pro
・USB-C
・USB-A
・3.5mmヘッドフォンジャック
・Surface Connect
・Surfaceタイプ カバーポート
・microSDXCカードリーダー
iPad Pro
・Thunderbolt / USB 4ポート
Surface Proは汎用性が高い端子が搭載していて、外部ディスプレイ出力や外付けSSD、外付けDVD/BDドライブも接続可能です。
iPad ProはUSB-Cが1ポートのみ搭載していますが、転送速度はSurface Proよりも高速です。
また、iPad Pro用のUSBハブを使うことで外付けSSD、SDカード、有線マウスやキーボード、ゲームコントローラーなど様々なデバイスが接続可能です。
ポイント
使い勝手や拡張性ではSurface Proが優れていますが、USBハブを使うことでiPad Proも拡張性が向上します。
iPad Proをおすすめする方
iPad Proは国内シェア50%、世界シェア30%を誇る性能、コスパ最強のタブレットです。
ポイント
ブラウジング、動画鑑賞、電子書籍鑑賞とiPad Proは最高のコンテンツ消費デバイスです。さらにイラスト制作、動画撮影・動画編集などクリエイティブにも対応しています。
なんでもできると思われがちなiPad Proですが、中途半端な部分もあります。スペックは高くてもパソコンほどの作業性にはならないのが現状です。
ただし、ブラウジングや動画鑑賞などのコンテンツ消費でiPad Proを上回るデバイスはありません。
iPad Proをおすすめする方は以下のとおりです。
こんな方におすすめ
- タブレットとして使いたい!
- ネットやSNSなど普段使いがしたい!
- 動画鑑賞がしたい!
- 電子書籍を読みたい!
- お絵描き、イラスト制作がしたい!
- 動画編集をしたい!
タブレットとして使うならiPad Pro一択です。
Surface Proをおすすめする方
Surface Proはモバイル性に優れつつも、いつでもどこでも気軽にWindowsを使えるのが魅力のタブレットです。
ポイント
タブレットとはいえ、ノートPC同様でビジネス利用だけでなく、ブラウジングや動画鑑賞などエンタメ要素でも快適に利用できます。
ただし、パソコン同様でWindowsを使える反面、起動(スリープ復帰含む)には時間が掛かります。また、iPad Proの方がアプリがシンプルで使いやすい傾向にあります。
タブレットとノートPCで1台2役の汎用性を備えているため、WindowsPCがより便利になります。
さらに、今年後半にリリースされるWindows 11では、タブレット機能にも力を入れたOSとなっているため操作性が格段に向上するとしています。
デザイン系のソフトなどを使ってクリエイティブな作業をしたい方にもハイエンド構成まで組めるタブレットPCです。
Surface Proをおすすめする方は以下のとおりです。
こんな方におすすめ
- ノートPCとしても使いたい!
- WindowsPCを使い慣れている!
- Officeを使った資料作成がしたい!
- お絵描き、イラスト制作がしたい!
- 気軽に持ち運びできるPCが欲しい!
ノートPCとしても使いたい方はSurface Pro一択です。
まとめ
iPad ProとSurface Proでは様々な部分が異なります。
使うシーンなど生活の状況によって、使いやすくもなればお互い苦手な部分もたくさんあります。
ポイント
購入した後、どのような使い方をするかを明確にしてから購入することがおすすめです。
タブレットは1台で仕事や趣味の幅を広げてくれる便利なアイテムとなります。
買って後悔しない自分に合った1台を選んでください。