Appleの人気ワイヤレスイヤホンであるAirPods Proは、3年ぶりとなる新型モデルを登場しました。
最新のH2チップを搭載し強力なノイズキャンセリング性能、進化した外部音取り込みモード、便利な新機能の搭載など驚異的なアップデートを遂げました。
この記事では、新型AirPods Pro(第2世代)を実際に使って感じた気になる進化をレビューします。
新型AirPods Proが気になっている方や、購入を悩んでいる方は参考にしてください。
新型AirPods Pro2のレビュー
AirPods Proは音質だけではなく、使い勝手などの使用感も非常に快適なワイヤレスイヤホンです。
AirPods Pro (第2世代) を実際に使ってみて感じた進化ポイントは以下のとおりです。
ポイント
- ノイズキャンセリング機能が格段に進化
- 外部音取り込み機能はイヤホンを装着していない感覚
- パーソナライズされた空間オーディオで没入感が向上
- 音質はより繊細で力強くなった
- Bluetooth 5.3でLE Audio対応に期待
- タッチコントロールで音量調整可能
- 高度な 「探す」 機能に対応
- Appleデバイス間のシームレスな連携機能
- MagSafe、Apple Watch充電器で充電可能
- バッテリー持ちが向上
- USB-Cポート対応
3年ぶりにアップデートされたAirPods Proは、第1世代の性能や機能を引継ぎさらに進化したモデルになっています。
AirPods Pro 2のデザインとサイズ感
ケースのデザインは第1世代から大きく変わっていません。正面や背面の外観は、ぱっと見ただけでは同じデザインです。
ケースのサイズ感的には胸ポケットに、圧迫感なく楽に入るので快適です。第1世代より5.2gほど重くなっていますが、気になるレベルではないです。
AirPods Pro (第2世代) |
AirPods Pro | |
サイズ(mm) | 高さ45.2×幅60.6×厚さ21.7 | 高さ45.2×幅60.6×厚さ21.7 |
重量 | 50.8g | 45.6g |
ケースの底面には「探す機能」に対応したため、スピーカーが搭載されました。
初期モデルは第1世代と同じくLightningポートが搭載されていますが、後期モデルはUSB-Cポートが搭載されています。
また、新たにIPX4の防滴にも対応したことで、雨なども気にすることなく持ち運べます。
右側面にはストラップホールを搭載したため、ストラップを使ってケースをバッグにしっかり取り付けられたりキーホルダーなどの装着も可能です。
ケースを開けるとイヤホン本体が収納されています。
イヤホンはケース内部にあるマグネットによってしっかり固定されているので、ケースを逆さに向けても落下しない仕様になっています。
イヤホンも第1世代と同じくステム(軸)付きのデザインとなっています。
より効率的な動作や様々な検知を最適化するため、センサーの位置が若干変わりました。
また、イヤホンの重さは第1世代と比べると片耳が5.4gから5.3gに軽量化されています。
AirPods Proの第1世代と第2世代は同じケースに収納できますが、混ぜて使うことはできません。
また、ほかの人のAirPodsと混ざった場合でも「AirPods Proの不一致」と警告が表示されます。
ノイズキャンセリング機能が格段に進化
周囲の環境音をシャットアウトするノイズキャンセリング機能は、電車内や人通りの多い場所などで活躍します。
AirPods Pro (第2世代) は、最新のH2チップが搭載され第1世代よりもノイズキャンセリング性能が圧倒的に進化しています。
電車内や交通量の多い道などでは、周囲のほとんどの音が消えて、周りの音はとても遠くで鳴っているように聞こえます。
ノイズキャンセリングの効果
交通量の多い道 | 車の走行音などは静かに聞こえる |
電車内 | 走行音はほぼ聞こえない ドアの開閉音は聞こえない アナウンスは小さく聞こえる |
駅改札口 | ピーン・ポーン(誘導サイン)は聞こえる |
カフェ | やや食器の音が聞こえる |
スーパー | がやがや音が消える |
工事現場 | 金属音などが遠くで聞こえる |
人の声 | 遠くで喋っているように聞こえる |
掃除機の音 | 1/3ほどの音になる |
エアコンの音 | 聞こえない |
換気扇の音 | 聞こえない |
様々な場所でのノイズキャンセリングの効果を試しましたが、実際にほとんどの騒音を消すことができていてAirPods Pro (第2世代) のノイズキャンセリングは非常に優秀だと感じました。
ポイント
第1世代と比べてノイズキャンセリング性能は確実に向上しています。
より静かな環境で、音楽に集中できるようになりました。
外部音取り込み機能はより自然な音
外部音取り込み機能は、周囲の音を聴きたいシーンがあるときに役立つ機能です。
マイクで拾った音をイヤホン内部で鳴らす機能となり、実際の周りの環境音にプラスして、音楽を楽しめます。
AirPods Pro (第2世代) では外部音取り込み機能が驚異的な進化を遂げました。
ポイント
環境音や自分の声の取り込みが自然で、イヤホンを装着していないような開放的でクリアな音になっています。
また、外部音取り込みモードの新機能として 「適応型環境音除去」機能が搭載されました。この機能によって、周囲の音を取り込んだ際に工事の音などの大きな音を軽減してくれます。
外部音取り込みの精度はかなり向上していて、ほぼ耳で聞いているのと同じくらいの感覚です。
外部音取り込み機能は様々なワイヤレスイヤホンの中でも最高クラスと言っても良いレベルです。
パーソナライズされた空間オーディオで没入感が向上
AirPods Proは空間オーディオに対応していて、臨場感溢れる立体的なオーディオ体験ができます。
ヘッドトラッキング機能などもあり、頭を動かしても正面側から音が聞こえてくるなど臨場感が増し、まるで映画館にいるような体験ができます。
空間オーディオ化すると音の印象は変わりますが、音の解像度や透明感が増すことはありません。
ポイント
空間オーディオが圧倒的に進化し、音の距離感を楽しめて音に包まれるような、よりリアルなサウンドを聴くことができます。
AirPods Pro (第2世代) では新たにパーソナライズされた空間オーディオに対応し、没入感や迫力がさらに向上しました。
また、ステレオ音源も疑似的に高クオリティな立体音響化をする機能などがあります。
映画やライブ映像などを視聴した際には、全体的な音をより鮮明に把握できて聴きやすいサウンドに進化している印象を受けました。
音質はより繊細で力強くなった
AirPods Pro (第2世代) は、最新のH2チップを搭載し、新ドライバーとアンプを採用していて第1世代から比べると非常に音質が向上しています。
クラシックやジャズ、J-POP、アニソン、ヒップホップ、ゲームミュージックなどの音楽や、Amazonプライムビデオの映画など様々なサウンドを聴き比べました。
AirPods Pro (第2世代) では、全体的な解像度が向上し、幅広い音域の音が鮮明に聴こえる印象です。
ポイント
- フラットで聴きやすいサウンドを継続
- 低音域から高音域までメリハリよく鳴り響く
- 中音域の輪郭も鮮明
- 全体的な解像度が向上
- 重低音がよりクリアに
よりクリアな音の響きで音の距離感の表現度、音の透明感も大幅に進化したと感じます。
また、奥行きのあるサウンドで、ボーカルや様々な楽器の定位が非常に力強い印象を受けました。
Beats Studio BudsやBeats Flexなどと比べると音質は圧倒的に良いですが、やはりゼンハイザーのMOMENTUMやSONYのWF-1000XM4の方が音質は良いです。
しかし、AirPods Proは音質以外の付加価値が大きいので、そこに魅力を感じられるかどうかだと感じます。
Bluetooth 5.3でLE Audio対応に期待
Bluetoothのバージョンがこれまで5.0だったのが5.3に一気にバージョンアップしました。
ポイント
遅延が少なく、安定した接続ができ、複数のデバイスに同時接続できる次世代規格です。
Bluetooth 5.3に対応したことにより、LE AudioやApple独自の新規格などに対応する可能性があり、AirPods Pro (第2世代) はOSのアップデートによりまだ進化すると考えられます。
LE Audioは、最新の通信規格となっていて低データレートでも高いオーディオ品質を実現できます。
今後のアップデートにより、さらにマルチに活用できるAirPods Proに進化すると予想されています。
タッチコントロールで音量調整可能
AirPods Pro (第2世代) は感圧タッチセンサー式となっていて、直感的で使いやすい操作感です。
新しいタッチコントロールが搭載されていて、ついにイヤホン単体で音量調整が可能になりました。
ポイント
イヤホンを軽くスワイプするだけで素早い音量調整が可能で反応も良好です。
iPhoneやApple Watchを使わず、AirPods Proのステムを上下にスライドするだけで音量を調節できて便利です。
1回押し | 再生/一時停止/電話応答 |
2回押し | 次の曲へ |
3回押し | 前の曲へ |
長押し | モード切替/Siri |
上下スワイプ | 音量調整 |
他の操作は第1世代と同じく、リスニングモードの切り替えや曲の再生や一時停止などはスムーズに行えます。
高度な 「探す」 機能に対応
AirPods Pro (第2世代) は音質向上だけでなく、新機能の搭載により使い勝手も向上しています。
万が一、紛失しても「探す」アプリで場所を詳細に特定することが可能になりました。ケースは新たにUWB(超広帯域無線)に対応しているため、左右のイヤホンだけでなくケースも10cm単位で場所を検知します。
また、部屋の中で探したい場合には、ケースに搭載されているスピーカーから大きめな音が鳴るため探せて便利です。
ポイント
紛失しにくい完全ワイヤレスイヤホンに進化しています。
ケースの音を鳴らしたり、地図の表示やナビゲーションをする便利な機能が搭載されました。
忘れ物防止タグ「AirTag」と同じような動作をするため、紛失時に探せて助かる機能でより利便性が向上したと感じました。
Appleデバイス間のシームレスな連携機能
AirPods Proは自動切り替え機能に対応しているため、デバイス間の切り替え操作が不要です。
例えばiPhoneで音楽を聴いていて、別のiPhoneやiPadで動画を視聴したいときにAirPods Proが自動で接続先を切り替えます。
ポイント
AirPods Pro (第2世代) は、より素早く確実に切り替えが可能になりました。
複数のデバイス間の切り替え操作が自動なので非常に便利です。iPhoneやiPadなど複数のApple製品を使っている方はおすすめです。
MagSafe、Apple Watch充電器で充電可能
AirPods Pro (第2世代) では様々な充電方法がサポートされています。
本体搭載のUSB-CまたはLightningで充電する以外にも、MagSafeやApple Watch充電器でも充電が可能になりました。
ポイント
様々なAppleの充電器で充電できるようになりました。
Apple Watchを持っている方は充電器を統一できたり、空いている充電器を使用できたりと使い勝手が向上しました。
バッテリー持ちが向上
イヤホン単体で最大6時間の連続再生が可能で、ケースを併用すると最大30時間となります。
連続再生時間は以下のとおりです。
AirPods Pro (第2世代) |
AirPods Pro | |
イヤホン単体 | 6時間 | 4.5時間 |
ケース併用時 | 最大30時間 | 最大24時間 |
第1世代と比べるとバッテリー持ちが33%向上しています。
第1世代は使っていて充電が切れることが多々ありましたが、6時間も単体で使えるのは十分だと感じました。
まとめ:AirPods Pro (第2世代) は買うべき?
AirPods Pro (第2世代) は見た目は大きく変わっていないものの、中身は想像以上に進化している印象です。
音質が向上しただけでなく、様々な機能が追加されノイズキャンセリングはより没入感が高まり、外部音取り込みはより自然な音となり使い勝手が圧倒的に向上したと感じます。
ポイント
音に関する機能や性能がパワーアップし使い勝手も良くなり、今後3年ほど先を見据えたアップデートとなっているため、いま欲しい方は買うべきと言えます。
AirPods Pro (第2世代) は、Appleユーザーにとって最高のワイヤレスイヤホンです。音楽だけでなく様々なコンテンツを楽しめるようなイヤホンはAirPods Proの魅力となります。
一段と進化したノイズキャンセリングの効果や音質を試してみる価値は大きいです。