AppleのAR戦略は、Vision Proの登場によって新たなフェーズに突入しました。そして今、注目が集まっているのが「次世代モデル」の動向です。
M5チップを搭載したVision Proが2025年10月に登場していますが、今後さらにVision Pro 2、Vision Air、そしてXRグラス「Apple Glass」。これらのスマートグラスは、2025年から2029年にかけて順次登場すると予測されています。
この記事では、Appleの最新ロードマップやリーク情報をもとに、各モデルの発売時期・特徴・位置づけを徹底解説しています。
Visionシリーズの進化を一つの指標として、今後の展開を考える際の参考にしていただければと思います。
目次
新型Apple Visionシリーズに関する最新情報

アップルの内部情報に詳しいアナリストのミンチー・クオ氏は、Vision製品およびスマートグラスの今後の展開予測について、2029年までの詳細なロードマップを公開しました。
クオ氏によると、Appleは今後数年にわたりVisionシリーズを段階的に進化させ、より軽量でスタイリッシュなデザインへとシフトしていく見込みです。
Apple Vision Series and Smart Glasses Roadmap (2025–2028): Smart Glasses Set to Drive the Next Wave in Consumer Electronics
Full story: https://t.co/41Moxlj1Ai pic.twitter.com/U2nQhBmEYg
— 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) (@mingchikuo) June 29, 2025
早くて2026年前半には改良型のVision Pro 2が登場し、性能向上と筐体の薄型化が図られる予定です。その後、2027年にはより手頃な価格帯のモデルが投入され、AR体験の普及を加速させると予測されています。
さらに注目すべきは、2028〜2029年にかけて登場が噂される「Apple ARグラス」。これはiPhoneやVision Proに依存しないスタンドアロン型のスマートグラスで、日常生活に自然に溶け込む次世代デバイスとして位置づけられると予想されます。
| モデル名 | 発売 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 次世代Vision Pro | 2026年中 | デザイン刷新 軽量化 空間オーディオ強化 |
| Vision Air | 2027年後半 | 廉価版 約40%軽量化 iPhone用チップ搭載 日常使いに最適 |
| XRグラス(Smart Glasses) | 2027〜2029年 | メガネ型 音声・ジェスチャー操作 次世代機能の搭載 |
クオ氏は、これがAppleにとってiPhone以来の革命的製品になる可能性があると指摘しています。

かつてApple Watchが登場する前、多くの人が「スマートフォンで時間も通知も確認できるのだから、腕時計型デバイスは不要だ」と考えていました。
しかし現在では、健康管理や通知の確認、決済などできることが多いApple Watchは、日常生活において便利な存在となり多くの人が利用しています。
同様の現象は、今後のスマートグラスにも起こる可能性があります。初期段階では「スマホで十分」といった声が上がるかもしれませんが、ARグラスが提供する新しい体験や利便性が浸透するにつれ、次第に多くの人々がその価値を実感し、生活の一部として受け入れていくことが予想されます。
Apple Vision Air

Appleが2027年後半に投入すると予想される「Apple Vision Air」は、Vision Proの技術を継承しつつ、軽量・スマート・日常使いに最適化された次世代ARグラスとして登場する見込みです。
Vision Proがプロフェッショナル向けのXR体験を提供する一方で、Vision Airはより広いユーザー層にXRの魅力を届ける普及モデルとして位置づけられると予測されています。
Vision Airは、従来のVision Proに比べて約40%軽量化され、メガネ感覚で装着できる快適なARグラスとして設計されると予想されています。未来的な一体型バイザーと流線型フレームにより、Appleらしい洗練された美しさと機能性を両立する可能性があります。
ポイント
- Vision Proよりも約40%の軽量化
- 一体型バイザーデザイン
- iPhone向けチップ(A19以降)搭載
- Apple Intelligenceとの連携
- 空間通知・ナビ・翻訳など日常機能に特化
- iPhone・Apple Watchとの連携強化
- バッテリー持続時間の最適化
- 予想価格は約20〜30万円
また、MシリーズではなくAシリーズを採用することで、価格を抑えつつ省電力・高速処理を実現すると予測されています。
Vision Proの約60万円に対し、Vision Airは約20〜30万円の価格帯で展開されると予想されており、XR体験の敷居を大きく下げる存在となり、学生・クリエイター・ビジネスパーソンなど、幅広い層にとって手の届く選択肢となることが期待されています。
Apple Vision Pro 第2世代

Apple Vision Proの第2世代は、初代モデルの革新性を継承しつつ、さらなる洗練と軽量化を実現すると予想されます。特に注目されるのは、デザインとユーザー体験の両面での進化が期待されています。
第2世代では、外観がよりミニマルかつ未来的になり、前面のガラスパネルはより滑らかに統合され、エッジの処理も一層精密になり、Appleらしい一体感のあるフォルムが際立つ可能性があります。
また、ディスプレイはMicro-OLEDの改良版が採用され、色彩の再現性や視野角がさらに広がると予測されます。EyeSight機能もより自然な表現に進化し、周囲とのコミュニケーションがスムーズになることが予想されます。
最新情報まとめ
- デザインの大幅アップデート
- 次世代M6またはM7チップ搭載
- 新しいジェスチャー機能
- 強化された空間オーディオ対応
- バッテリー持ちの改善
- 第1世代と同価格帯
Apple Vision Pro 第2世代は、デザインのアップグレードだけではなく、空間コンピューティングの未来をより身近にする次のステップとして位置づけられることが期待されます。
スマートグラス「Apple Glass」

Appleが2027年以降に投入すると予測されている「Apple Glass」は、Vision Proシリーズとは一線を画す日常使いに特化したスマートグラスです。
Apple Glassは、音声操作やジェスチャー認識による直感的なインターフェースを備え、写真・動画の撮影も可能な多機能スマートグラスとして登場する見込みです。
さらに、AIによる高度な環境認識機能により、ユーザーの周囲の状況をリアルタイムで把握し、シームレスなAR体験を提供する可能性があります。
オーディオ機能も搭載される予定で、内蔵スピーカーによる空間オーディオ、あるいはAirPods Proとの連携によって、音声コンテンツを快適に楽しめる設計が想定されています。
ポイント
- メガネ型の軽量デザイン
- 音声・ジェスチャー操作に対応
- オーディオ機能の搭載
- 写真・動画撮影機能
- 超省電力設計と長時間使用
- 多彩なフレーム・素材バリエーション
- Appleデバイスとの連携性
- 予想価格は10〜15万円程度
ユーザーのライフスタイルや好みに応じて選べるよう、複数のフレームデザインや素材バリエーションが展開される可能性が高く、ファッション性とテクノロジーの融合を体現する製品となることが予想されます。
Apple XRグラス

Appleが2028年頃に投入すると予測される「Apple XRグラス」は、Vision Proシリーズとは異なるアプローチで、日常に溶け込む次世代XR体験を提供するスマートグラスです。
XR(Extended Reality)という名称が示す通り、AR・VR・MRの要素を柔軟に融合し、軽量かつ高機能な空間デバイスとして登場する可能性が高まっています。
XRグラスには、低消費電力かつ高解像度なLCoS(Liquid Crystal on Silicon)ディスプレイが採用される見込みで、メガネ型ながらも没入感のある映像体験を実現し、映画視聴やゲームにも対応し、Vision Proに近い視覚体験をより軽快に楽しめると予想されます。
ポイント
- スマートグラス型XRデバイス
- LCoSディスプレイによる高精細な映像体験
- 空間オーディオとAIによる環境認識機能
- 軽量素材(チタン・カーボンファイバー)を採用
- XR(AR+VR+MR)体験の融合
- 予想価格は10〜15万円程度
Vision Proが空間コンピューティングのフラッグシップであるのに対し、XRグラスは日常使いに特化したスマートXRデバイスとなり、価格も10〜15万円程度と予想されており、より広いユーザー層に向けた製品となることが期待されています。
まとめ
Appleは今後数年で、Vision Proを中心とした空間コンピューティングのラインアップを拡張し、より多様なニーズに応える製品群を展開すると予想されます。
Vision Proはハイエンド層向けのフラッグシップモデルとして、Vision Airは軽量・ミドルレンジの選択肢として、そしてXRグラスは日常使いに特化したスマートグラスとして、それぞれ異なる役割を担います。
Apple Watchに続く、iPhoneの次世代パートナーとして登場する可能性があり、期待が高まっています。
本記事で紹介している内容は、予想やリーク情報に基づくものであり正式発表ではありません。なお、掲載している画像はすべてイメージです。
Source:Ming-Chi Kuo , 9to5Mac