M5チップを搭載した新型iPad Proは、進化した処理性能と電力効率の両立により、クリエイティブワークから日常使いまであらゆるシーンで快適に活躍します。
特に、Safariでのウェブ閲覧や、メモ・カレンダー・写真アプリの操作においても即座に反応する滑らかさが際立ちます。
SNS、動画視聴といった日常的な使い方でも、M5チップの恩恵によりただ使うではなく、心地よく使い続けられる印象です。
この記事では、M5 iPad Proを徹底的に使い込んだレビューをもとに、「実際の使用感」「見えてきた弱点」「買うべきかどうか」をわかりやすく解説しました。
M5 iPad Proを買うべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
M5 iPad Pro 実機レビュー

今回は、M5 iPad Proの13インチモデルでストレージ容量は512GBを購入しました。
M5 iPad Proはスペックアップではなく、日常の質を底上げして、ライフスタイルに自然と溶け込んでいる印象です。ただし、M4 iPad Proからの進化は控えめで、劇的な変化を求めるユーザーにとっては物足りなさを感じるかもしれません。
一見するとマイナーアップデートに映るかもしれませんが、実際に使ってみると、細やかな改善の積み重ねが日常の快適さに直結していることに気づかされます。
実際にM5 iPad Pro使ってわかったポイントを、具体的な体験を交えながらご紹介します。
デザイン・サイズ・質感の印象

M5 iPad Proを手にした瞬間、まず驚かされるのはその「薄さ」と「軽さ」です。
厚さわずか5.1mmとなりますが、これはM4 iPad Proからは変更はありません。しかしそれ以前のモデルを持っている方にとってはかなり薄型軽量モデルに感じると思います。
ポイント
M5 iPad Proの外観は、M4モデルから大きく変化していないものの、Appleらしい洗練されたデザインが引き継がれています。

手で持つと、その軽さと薄さが指先に伝わり、まるで一枚の金属板を扱っているかのような感覚に包まれます。
特に長時間の使用や持ち運びの際には、その恩恵を強く実感できるでしょう。さらに、筐体の剛性はしっかりと保たれており、薄型ながらも高級感と安心感を両立しています。

質感に関しては、アルミニウムユニボディの仕上げがさらに洗練され、指先に触れたときの冷たさと滑らかさの共存が心地よく、所有する満足度はかなり高い印象です。
ベゼルの細さやカメラモジュールも含め、全体として美しさが徹底されており、画面に集中できる設計思想が貫かれています。

13インチモデルは大きいという印象を持たれがちですが、実際にはA4サイズの用紙よりも一回り小さく、縦幅はやや短く、横幅はほぼ同等です。
そのため、一般的なA4サイズ対応のバッグであれば問題なく収納でき、持ち運びにも困りません。このサイズ感は、広々とした作業領域を確保しながらも、日常の携帯性を損なわない絶妙なバランスを実現しています。

これはWi-Fiモデルですが、13インチタブレットとしてはかなり軽い印象です。iPhoneと比べればずっしりとした印象を受けますが、一般的なノートパソコンと比べると驚くほど軽く、持ち運びのハードルを大きく下げてくれます。
M1 iPad Proの重量は682g(Wi-Fiモデル)だったので、結構軽くなっている印象です。
このスマホより重く、PCより軽いという絶妙なポジションこそが、iPad Pro 13インチの立ち位置です。
なお、重量に関してはM4モデルからの変更はなく、完成されたバランスがそのまま継承されています。

iPad Proのディスプレイ上部には、Face IDやインカメラなどの先進的なセンサー群が、筐体と一体化するように美しく配置されています。
M4 iPad Proから採用された12MPセンターフレーム対応の横向きインカメラは、M5でもそのまま継承しています。
横持ちでのビデオ通話やFaceTimeが主流となる現代の使用スタイルに最適化されたこの配置は、ユーザー体験をより自然で快適なものへと導いてくれます。
ディスプレイ性能

M5 iPad Proは有機ELディスプレイなので、 黒の表現力が非常に高く、コントラスト比が圧倒的に優れています。これにより、映像や写真はより深みのある色彩で表示され、特にHDRコンテンツではその真価を発揮します。
黒の深さ、白の輝度、色の正確さそのすべてが、視覚体験を情報から感覚へと昇華させる印象です。

Appleが採用したUltra Retina XDRディスプレイは、2層構造のタンデムOLED技術を採用しており、従来のOLEDよりも高輝度かつ長寿命を実現しています。
液晶ディスプレイを搭載したiPad Proでは、黒い部分にもバックライトが常時点灯しているため、黒がやや白っぽく見えてしまいます。
一方、有機EL(OLED)を採用したiPad Proでは、黒を表示する際にLED自体が完全に消灯するため、漆黒のような深い黒が再現され、視認性と没入感が格段に向上します。
この違いは、映像体験やデザインの印象に大きく影響します。特に映画鑑賞や写真編集など、暗部の表現が重要なシーンでは、有機ELの圧倒的なコントラストが真価を発揮します。また、黒が引き締まることで、UIの要素や色彩がより鮮明に際立ち、Appleらしい洗練された美しさが一層際立ちます。
ポイント
最大輝度は1000ニト(HDRピーク1600ニト)に達し、屋外でも明瞭な視認性を確保します。反射低減コーティングの効果も高く、自然光の下でもコンテンツに集中できます。
ProMotionによる120Hzのリフレッシュレートは、スクロールやペン操作を極めて滑らかにし、指先と画面の間に遅延という概念が存在しないかのような没入感を生み出します。
色域はP3に対応し、写真編集や映像制作においてもプロレベルの精度を実現しています。True Toneの調整も自然で、長時間の読書や作業でも目に優しい印象です。

また、1TB以上のストレージモデルを選んだユーザーのみが追加料金でNano-textureディスプレイガラスに変更できます。
| モデル容量 | 選択可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 256GB | 非対応 | 標準のガラスディスプレイのみ |
| 512GB | 非対応 | 標準のガラスディスプレイのみ |
| 1TB | 選択可能 | 標準ガラスまたはNano-textureから選択可能 |
| 2TB | 選択可能 | 標準ガラスまたはNano-textureから選択可能 |
Nano-textureディスプレイは、AppleがPro Display XDRなどでも採用している特殊なマット仕上げのガラスで、反射を大幅に抑えつつ、画質を損なわないのが特徴です。
明るい環境やスタジオ照明下でも視認性が高く、映り込みを最小限にしたいプロフェッショナル用途に最適です。
M5チップの性能

実際にM5 iPad Proを使ってみると、処理性能の高さは数字ではなく体感として伝わってきます。
複数のアプリを同時に立ち上げて作業しても、動作がもたつくことはなく、画面の切り替えやジェスチャー操作も一貫して滑らかです。思考の流れに寄り添うようなレスポンスが印象的です。
動画編集や画像加工など、比較的負荷の高い作業も試してみましたが、動作は安定しており、操作中にストレスを感じる場面はありませんでした。
発熱に関しても、長時間の使用で背面がほんのり温かくなる程度で、熱によるパフォーマンス低下や不快感はほぼ感じられません。
ポイント
動作がもたつくことはまったく感じられず、アプリの表示もとても早くなっています。(M1モデルと比較)
また、手書き入力やマルチタスク操作でも、遅延や処理落ちがなく、Apple Pencil Proとの連携も非常にスムーズです。スクイーズジェスチャーや触覚フィードバックも自然に反応し、直感的な操作が可能です。

M5 iPad Proでゲームを始めた瞬間、まず驚いたのは「音」と「映像の滑らかさ」です。
M5チップのパワーは本物で、グラフィックが細部までくっきり描写され、ロード時間も素早いです。画面をタップするたびに、指先と映像がシンクロするような感覚があって、思わず「これ、iPadで動いてるの?」と感じます。
ストレージとメモリ容量

M5 iPad Proの「256GB/512GBモデル」と「1TB/2TBモデル」でスペックの違いがあります。
まず性能面では、高性能コアの数とRAM容量に差があり、1TB/2TBモデルはより高い処理能力とマルチタスク性能を備えています。
具体的には、256GB/512GBモデルが3つの高性能コアと12GB RAMを搭載しているのに対し、1TB/2TBモデルは4つの高性能コアと16GB RAMを搭載しており、より複雑な作業やプロフェッショナル用途に適しています。
この違いは、動画編集や3Dレンダリング、複数アプリの同時使用など、負荷の高い作業において顕著に現れます。GPUやNeural Engineの構成は共通ですが、CPUとRAMの差が全体的なパフォーマンスに影響を与えるため、用途に応じたモデル選びが重要です。
| 項目 | 256GB / 512GB モデル | 1TB / 2TB モデル |
|---|---|---|
| CPU構成 | 9コア(高性能3 + 高効率6) | 10コア(高性能4 + 高効率6) |
| GPUコア数 | 10コア | 10コア |
| Neural Accelerators | 搭載 | 搭載 |
| レイトレーシング | ハードウェアアクセラレーテッド対応 | ハードウェアアクセラレーテッド対応 |
| Neural Engine | 16コア | 16コア |
| メモリ帯域幅 | 153GB/s | 153GB/s |
| RAM容量 | 12GB | 16GB |
この違いを踏まえて、用途に応じたモデル選びが重要ですね。動画編集や3D作業などの重い処理を行うなら、1TB以上のモデルがより適しているかもしれません。
私は主にライトな用途が中心なので、ストレージは512GBを選びました。日常使いには十分すぎる容量で、不便を感じることはありません。
実際の使用感と使い勝手

M5 iPad Proを日常的に使ってみて感じるのは、速さよりも滑らかさな印象です。
アプリの起動、ページの切り替え、Apple Pencil Proでの手書き操作すべてが指先の動きに自然に追従し、思考の流れを妨げません。
特に、SafariでのブラウジングやSNSの閲覧、動画視聴などのライトな使い方では、M5チップの恩恵を意識せずに享受できるほど快適です。

マルチタスクもスムーズで、調べ物をしながらメモを取るといった作業が日常の一部として自然に馴染みます。
動画視聴では、Ultra Retina XDRディスプレイの美しさが際立ちます。HDRコンテンツの立体感、色の深み、音の広がりました。
スピーカーの音質も豊かで、イヤホンなしでも十分に没入できるため、ちょっとした休憩時間が贅沢なひとときに変わります。

カフェで使っていても、周囲の雑音や光の反射に煩わされることなく、Ultra Retina XDRディスプレイの明瞭さと反射低減の効果で快適に作業が進められます。 本体の薄さと軽さは、テーブルの上でも圧迫感を与えず、空間に自然と馴染む存在です。
また、Face IDの認識速度や、Magic Keyboardとの連携も安定しており、ノートPCライクな使い方にも違和感がありません。 バッテリー持続時間も十分で、朝から晩までの使用でも充電を気にすることなく過ごせる安心感があります。
「使っていてストレスがない」ではなく、「使うこと自体が心地よい」印象です。
C1Xチップ、N1チップの性能

M5 iPad Proには、Appleが独自に設計したC1XモデムチップとN1ワイヤレスチップが搭載されています。
これにより、通信体験は速さを超え、静かで安定したつながりへと進化しました。
C1XはWi-Fi + Cellularモデルに搭載され、従来比で最大50%高速なモバイル通信を実現しているとのことです。
Appleがモデムを自社設計することで、ハードウェア・ソフトウェア・OS・チップが高次元で統合され、通信時の電力効率も最適化していて、バッテリー消費を抑えながら、常に安定した接続が保たれます。

一方、N1チップはWi-Fi 7に対応した次世代の無線通信チップです。自宅などのWi-Fi環境でも、高速かつ低遅延な接続を実現し、動画視聴やクラウド作業、オンライン会議などの体験がより快適になります。
特に、複数デバイスが同時接続される環境下でも、通信の途切れや遅延を感じさせない余裕が印象的です。

Apple N1は、iPhoneなどに使われる新しい通信チップで、次の3つに対応しています。
ポイント
- Wi-Fi 7:ネットが速くて安定。動画もサクサク。
- Bluetooth 6:音楽やデバイス接続がもっとスムーズに。
- Thread:スマートホーム機器(電気、鍵など)と簡単につながる。
これにより、iPad Proの通信が速くなり、AirDropやスマートホームの操作もより快適になります。
M5 iPad Proは、通信というインフラを意識させない快適さで包み込み、日常のすべてのシーンにそっと寄り添ってくれる存在です。
カメラ性能の実力

M5 iPad Proのカメラは、12MPの広角レンズとLiDARスキャナを搭載しています。
スペック自体は前モデルから大きく変わっていないものの、M5チップによる画像処理の進化が、撮影体験の質を静かに底上げしています。
M2モデルまでは、12MPの広角カメラに加えて10MPの超広角カメラも搭載されていましたが、M5 iPad Proでは12MP広角カメラのみの構成となりました。
ポイント
写真撮影に関してはiPhone 17 Proの方が圧倒的に高性能です。iPad Proは撮るより記録するためのカメラです。
例えば、ホワイトボードの内容を記録したり、書類をスキャンしたりといった実務的な撮影では、iPad Proのカメラは十分すぎるほどの性能を発揮します。

書類を撮影してみると、画質面ではやはりiPhone 17 Proの方が繊細で、細部までくっきりと描写されます。特に文字のエッジや紙の質感まで捉える精度には、さすがのカメラ性能を感じます。
一方で、iPad Proでの撮影は操作性が非常に快適で、画角の調整や構図の確認がスムーズです。大きなディスプレイによって、撮影前の微調整が直感的に行えるため、作業効率が格段に向上します。
実際に使ってみると、書類のスキャンやホワイトボードの記録、製品レビュー用の撮影など、日常的な用途においては十分以上の精度と自然な色味で仕上がります。
特に、AIによる自動補正が強化されており、逆光や室内光でも明るさ・コントラストが自然に整い、撮るだけで整う快適さが印象的です。
マイク性能を実機でチェック

実際にM5 iPad Proのマイクを使って、音声メモの録音やオンライン会議、動画収録などを試してみました。
まず驚いたのは、周囲の雑音を抑えながら、声だけをクリアに拾ってくれる精度です。
エアコンの音やキーボードの打鍵音がある環境でも、話し声がしっかり前に出て、聞き手にとって聞きやすい音質に整えられていました。
Appleは以前からiPad Proにスタジオ品質のマイクを搭載してきましたが、M5モデルではAIによるノイズ処理と音声補正がさらに進化しています。
声のトーンや抑揚が自然に保たれ、録音した音声を再生しても自分の声がそのまま聞こえる感覚に近づいています。
FaceTimeやZoomなどの通話アプリでも、相手から「声がクリア」「周囲が静かに聞こえる」と言われることが増え、マイクの性能が会話体験そのものを底上げしていることを実感しました。
また、横向き配置に最適化されたマイク位置により、画面を見ながら話すときの音の入り方が安定しており、姿勢や持ち方に左右されにくいのも好印象です。
実際のバッテリー持ち

M5 iPad Proのバッテリー持ちは、Wi-Fi接続でのインターネット利用や動画再生で最大10時間です。
これはM4モデルと同じ仕様ですが、実際に使ってみると、変わらないことの安心感が際立ちます。
朝から資料作成やブラウジング、手書きメモ、動画視聴を断続的に行っても、夕方までバッテリー残量を気にすることはほとんどありませんでした。
| 使用シーン | 持続時間目安 | 備考 |
|---|---|---|
| Wi-Fiブラウジング | 約10〜11時間 | 複数タブ・動画埋め込みでも安定 |
| 動画再生(ローカル再生) | 約10~11時間 | HDRコンテンツでも持続性あり |
| 動画再生(ストリーミング) | 約8.5〜9.5時間 | YouTubeやNetflixなど |
| ペン入力+作業(GoodNotes等) | 約8〜9時間 | Magic Keyboard併用時も安定 |
特に、M5チップによる電力効率の向上が効いているのか、同じ10時間でも減り方が穏やかに感じられます。
また、スタンバイ時の消費も少なく、数時間放置してもほぼ減っていないのは好印象でした。
バッテリー持続時間は、Wi-Fi接続でのインターネット利用や動画再生で最大10時間とされていますが、実際に連続で動画を再生したところ、10時間56分という結果に。 これは、Appleの公称値を静かに上回る持続力であり、使い続けられる安心感が数字以上に伝わってくる体験でした。
最大60Wの高速充電

M5 iPad Proは、最大60Wの高速充電に対応しており、別売りの60W以上のUSB-C電源アダプタを使用することで、わずか35分で最大50%まで充電が可能です。
実際に試してみると、朝の準備中や外出前の短時間でも、十分なバッテリー残量を確保できるため、充電のために待つという感覚がほぼ消えました。
この高速充電は、使いたいときにすぐ使えるという体験価値の最適化です。
ポイント
M5チップによる電力効率の向上も相まって、充電→使用→再充電のサイクルがよりスムーズに。
Appleは、バッテリーの持ち時間だけでなく、充電の回復速度にもこだわることで、ユーザーの時間感覚に寄り添った設計を実現しています。
長時間の作業や動画視聴の後でも、短時間の充電で再びフルパワーに戻れる安心感があります。M5 iPad Proは、性能だけでなく使えるまでの時間にも配慮されたデバイスな印象です。
気になった弱点・デメリット

M5 iPad Proは、完成度の高いタブレットであるがゆえに、細部にこそ惜しさが見えてきます。
気になった弱点をザックリまとめると以下のとおりです。
気になった弱点
- M4からの進化が限定的:M5チップは性能向上しているが、体感できる差は小さい。
- 外観デザインが据え置き:M4モデルとほぼ同じ筐体で、新鮮味に欠ける。
- カメラ性能がProらしくない:フロント・リアともにM4と同等で、進化が見られない。
- 防水・防塵性能なし:高価格帯にもかかわらずIP等級の耐久性がない。
- Nano-textureガラスが高価格モデル限定:1TB以上のモデルでしか選択できない。
- ベースモデルのCPU性能が抑えられている:256GB/512GBモデルは高性能コアが1つ少ない。
- 本体価格が非常に高額:256GBモデルでも約17万円、1TBモデルは30万円超。
まず気になるのは、リアカメラの構成変更。M2モデルまでは広角+超広角のデュアル構成でしたが、M5では12MP広角カメラのみとなり、超広角が廃止されています。
日常の記録用途には十分な性能ですが、空間全体を捉えたい場面や、広がりのある構図を求める撮影では、やや物足りなさを感じることもあります。
また、価格とアクセサリの分離設計も気になるポイントです。Apple Pencil ProやMagic Keyboardは別売りで、フルセットで揃えるとかなりの投資になります。 本体の完成度が高いだけに、ユーザーにとってはハードルにもなり得ます。
さらに、M4モデルからのバッテリー持ちの進化が見られない点も惜しいところ。M5チップによる電力効率の向上はあるものの、最大10時間という仕様は据え置きで、長時間作業を求めるユーザーにはやや不安が残るかもしれません。
とはいえ、これらの弱点は使い方次第で十分に補える範囲であり、特にiPad Proを初めて手にする方や、M1世代からのステップアップを検討しているユーザーにとっては、デメリットと感じる場面はほとんどないでしょう。
むしろ、M5チップや有機ELディスプレイ、Apple Pencil Proとの連携といった進化によって、日常の体験は確実にアップグレードされるはずです。
まとめ|M5 iPad Proはどんな人におすすめか

M5 iPad Proは、驚くほどの軽さと薄さ、そして洗練された使い勝手の良さが際立っており、実際に使ってみると満足度は非常に高いです。ただし、価格の高さはやはり大きなハードルになります。
私自身、iPad Proで日常的に動画編集やゲームをするわけではなく、主な用途は動画鑑賞やブラウジング、SNSの閲覧程度です。
それでも、無印iPad、iPad AirやiPad miniでは味わえない、120Hz駆動の有機ELディスプレイによる滑らかで美しい映像体験、そしてM5チップによる圧倒的な快適さに惹かれ、購入を決断しました。
結果として、スペック以上に使うたびに心地よさを感じるタブレットであり、体験価値の高さを日常の中で実感しています。
実際に使ってみて感じた、M5 iPad Proが特におすすめだと感じるのは、以下のような方々です。
おすすめな人
- iPad Proを初めて購入する人:最新チップと有機ELディスプレイによる圧倒的な体験価値を一気に味わえる。
- M1以前のiPadから買い替えを検討している人:処理性能・ディスプレイ品質・アクセサリ連携が大幅に進化しており、満足度が高い。
- 動画編集・3D制作・写真レタッチなどのクリエイティブ作業を行う人:M5チップと最大16GB RAM、10コアGPUでプロレベルの作業が快適に。
- 120Hzの有機EL大画面で動画鑑賞やSNSを快適に楽しみたい人:日常使いでも体験の質にこだわるユーザーに最適。
M5 iPad Proは、M4モデルと比較すると進化の幅が控えめで、マイナーアップデートという印象が否めません。
M5チップによる処理性能や電力効率の向上、C1X・N1チップによる通信体験の改善など、確かに細部は磨かれていますが、日常の使用感に劇的な変化をもたらすほどではないのが実情です。
そのため、すでにM4 iPad Proを使用しているユーザーにとっては、買い替えによる体験価値の上乗せが限定的であり、現時点では積極的な乗り換えを推奨しづらい構成となっています。
むしろ、M1〜M2世代からのステップアップであれば、薄型化・有機EL・通信性能の向上など、複数の体験軸で恩恵を感じられるでしょう。
購入を迷っている方は、ぜひ一度実機に触れてみることをおすすめします。