人工知能を研究する非営利団体であるOpenAIが、大規模言語モデル「GPT-4」を発表しました。
従来のGPT-3と比べて驚異的なパフォーマンスを発揮し、その進化が話題となっています。
2023年からは、普段の生活の中でAIが急速に浸透していく可能性があります。
この記事では、GPT-4についてまとめています。また、ChatGPTの進化について解説していきます。
知りたいことや分からないことがあったら検索したり、本を読んだりしていたのが、「聞く」に代わる時代が来ると言われています。
AIの大きな進化、言語処理技術の飛躍的な向上で時代が変化していきます。
目次
OpenAI GPT-4とは
OpenAIは、自然言語処理などのテクノロジーの分野で最先端の研究を行っている非営利団体です。
AI (人工知能)の進歩を促進して、多くの人がAIを利用することができるようにデータやツールを提供しています。
Announcing GPT-4, a large multimodal model, with our best-ever results on capabilities and alignment: https://t.co/TwLFssyALF pic.twitter.com/lYWwPjZbSg
— OpenAI (@OpenAI) March 14, 2023
中でも、OpenAIがリリースした対話型言語処理における大規模言語モデルである「ChatGPT」が最新発表されました。
ChatGPTとは
テキストで会話が可能なAIで、人の代わりにユーザーの質問に答えてくれるチャットボットです。
OpenAIによってリリースされた製品は以下のとおりです。
リリース情報
DALL-E 2:自然言語処理と画像生成モデルを組み合わせたAI
Codex:高度なコードを自動で生成するAI
GPT-3:巨大な自然言語処理AIモデル
GPT-4:GPT-3に改良を加えた話型言語処理の最先端AI
GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の略で、人間が話したり書いたりする言葉を学習し、自然な文章を生成することができる大規模言語モデルです。
GPTはバージョン1から進化し続けて、バージョン4が現時点で最新です。
GPT-4とは
OpenAIによって開発された言語モデルで、GPT-3.5の後継モデルです。
質問への返答や電子メール、文章の作成が可能です。
ChatGPTとアレクサの違い
ChatGPTは、人に代わってユーザーの質問に答えるチャットボットで様々な分野や業界の知識を保有しています。
AmazonのEcho Show 5などに搭載されているアレクサやAppleのSiriなどと同じく人工知能ですが、アレクサやSiriは音声対話に対しChatGPTはテキスト対話となります。
ポイント
アレクサ:音声対話
ChatGPT:テキスト対話
多くの音声AIが登場しましたが、ChatGPTは本格的に人の代わりになるような可能性を持つAIです。
ChatGPTの進化
従来のChatGPTで使われてきたGPT-3.5と比較して、多くの劇的な進化があります。
質問内容に対する回答の正確性や安全性が圧倒的に向上しました。従来はテキストのみの入力でしたが、画像での入力に対応しました。
画像入力に対応
GTP-4では、画像を見せて質問する機能に対応しました。
例えば、複数の食材を写真で撮影して、GPT-4に「これでどのような料理が作れますか?」と質問するとレシピを回答してくれます。
これはアレクサにはない優れた機能です。
ポイント
AIが画像に何が映っていて、どのような状況下にあるのかを正しく認識します。
ノートに手書きのWebページのデザインを描いて写真を撮ってGPT-4に入力したところ、HTMLのプログラムコードを出力するレベルです。
また、グラフからも具体的な値を答えるなど幅広い使い方ができるようになりました。
文章要約が大幅に向上
扱うことができるテキスト量が、従来の約8倍の2万5000ワード越え(3万2768トークン)となります。
また、長文の電子メールやエッセイの作成もできるようになりました。
ポイント
従来よりも多くの言葉を認識し、より長い文章を生成することが可能です。
司法試験の模擬問題をGPT-4で解かせると、上位10%の成績で合格したことから人間レベルのパフォーマンスを示すと報じられています。
回答の正確性が向上
従来のGPT-3.5よりもGTP-4は、より信頼性や創造性の高い回答を得られるようになりました。
より高度な質問や要約、翻訳の性能によって、より正確で信頼のある回答を得られます。
ポイント
日本語に高精度で対応し、専門的な質問に対しても高精度で対応します。
ユーザーの質問意図を、より深く分析したうえでの返答が可能になりました。
また、非常に多くのワードで入力した場合にも従来よりも正確な情報をアウトプットされます。
回答の安全性が向上
従来のGPT-3.5と比較してGTP-4は、誤った回答をする確率が40%減少し、不適切のコンテンツを回答する確率も80%減少しました。
危険且つ有害な質問に対しては、「答えられない」と回答するようになりました。
言葉からプログラミングコードを自動生成
GPT-4は更に複雑な内容を高精度で行うことができます。
テキストや画像の生成や編集以外にもプログラミングのコードまでも生成することができます。様々なタスクにも応用が可能です。
ポイント
専門知識が無くてもWebサイトを構成するコードなどが生成できます。
高度な言語処理能力によってゲームやアプリケーションにおいて、より自然な対話が実現します。
まとめ
GPT-4は専門領域の質問に高精度で対応し知識量および推論能力が大きく向上したため、驚異的なパフォーマンスを実現します。
今後、AIが文章を作成し、記事や小説を執筆、高度なチャットボットなどがさらに浸透していくと予想されます。
ChatGPTはアレクサなどよりも抽象的な対話に優れていて、人間の気持ちになって回答することが特徴的です。
GPT-4の登場によって普段の生活の中にAIが溶け込み、より便利になることが期待されます。
Source:OpenAI